| 研究課題/領域番号 |
17K08024
|
|---|
| 研究機関 | 阿南工業高等専門学校 |
|---|
研究代表者 |
吉田 晋 阿南工業高等専門学校, 創造技術工学科, 教授 (10607310)
|
|---|
| 研究分担者 |
白石 和章 鳥羽商船高等専門学校, その他部局等, 准教授 (40442454)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
| キーワード | 低価格環境センサ / 生育環境情報 |
|---|
| 研究実績の概要 |
圃場ごとのミニパイプハウス内の環境データと生育状況から，ハウスの穴開け換気量の最適値を指示しめす農家向け栽培支援システムの開発を目指し、研究を開始している。初年度となる平成29年度の研究実績は次の通りである。１）ミニパイプハウス用低価格環境センサの開発においては、農業用低価格環境センサをミニパイプハウス栽培用に改良したプロトタイプからさらに低価格化を進めて開発し、独立電源込み1台2万円以下の目標に対して、１台1万円の材料費で、温度・日射量・土壌水分を測定する環境センサを開発した。２）開発したミニパイプハウス用低価格環境センサを、徳島県立農林水産総合技術支援センターの試験圃場の複数のミニパイプハウスに設置し、換気率を５パターン変えて外気とハウス内の温度の関係を計測した。計測したデータから外気温と換気率の違いによるハウス内温度の傾向を解析した。３）ニンジン栽培協力農家の圃場に設置し、ニンジン栽培期間（11月上旬～3月上旬）のハウス内の環境データを測定し、同時にハウス外にもウェザーステーションを設置して、外気温度を計測した。４）計測した温度データを、換気率判断に使いやすい1日単位の最高温度・最低温度・平均温度で分かりやすく表示するシステムを開発した。５）ニンジン栽培ハウス内にカメラを設置して、ニンジン生育情報を収集した。６）研究成果を、農業情報学会2017年度年次大会および2017年農業施設学会で発表した。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
低価格なミニパイプハウス栽培用環境センサの開発は進んでおり、開発した環境センサにより生育環境情報は取得でき、環境情報をタブレットで確認する表示システムは開発できている状況だが、ニンジンの生育情報との関連付けするためのアプリの開発が遅れている。このことにより、実際のニンジン栽培の生育環境データ記録はできたが、換気率との関連がひも付けできなかった。また、ハウス内生育判断用カメラシステムの開発が遅れているため、今年度は市販のカメラによる生育情報を取得した。画像から生育状況を判断する解析の研究については進められているが、生育環境データとニンジンの生育データとのひも付けもできなかった。
|
| 今後の研究の推進方策 |
ミニパイプハウスにおけるニンジン栽培が、冬季の11月～3月と期間が限定されているため、初年度に開発が遅れた生育情報判別用カメラの開発を進め11月までに生育モニタ用カメラの開発と、換気率を記録するアプリの開発を優先的に進め、11月からの栽培開始から環境情報と換気率と生育情報を関連づけて記録できるシステムを構築できるように研究を推進する。また、開発した生育情報判別用カメラを備えたミニパイプハウス用環境センサの開発を行う。農家への栽培支援システムとしての実用化を目指し栽培支援情報を表示するタブレットアプリの開発を進める。徳島県立農林水産総合技術支援センターから換気率と環境情報とニンジンの生育情報のデータ提供による、関係性の解析を進める。
|
| 次年度使用額が生じた理由 |
H29年度予算では、ハウス内生育判断用カメラシステムの開発のための、ハウス内に接地する市販カメラの購入および開発するカメラ用部品の購入を予定していたが、解析のための生育情報を取得する市販カメラは、手持ちのカメラが流用できたため、解析用データの取得とハウス内カメラに求められる機能の検討を優先したため、部品の購入もH30年度に持ち越している。従って、持ち越した研究費は、当初の予定通り生育判断用カメラシステムの開発用としてカメラシステム試作製作費としてH30年度に使用する計画である。
|
