研究実績の概要 |
1.深層学習のための時空間データベースの構築 2000~2017年を対象に、高頻度観測衛星データ(MODIS/Terra, Aqua 地表面反射率8日間コンポジット合成データ)、気象再解析データ(NLDAS-2)、作物分類図(Cropland Data Layer)を収集し、後述する作物フェノロジー把握手法および深層学習フレームワークに適したデータフォーマットに変換した上で、専用のデータベースを構築した。 2.作物フェノロジー把握手法(SMF)の改良 時系列MODIS観測データからアメリカの主要作物の生育ステージを広域把握することが可能な「改良型Shape Model Fitting 法(rSMF法)」を開発した。TIMESATに代表される従来型のフェノロジー把握手法で定義される情報は、作物生育ステージと一致していないという問題があった。本年度の研究の結果、SMF法のモデルキャリブレーションプロセスを改良することで、トウモロコシ, 大豆, 冬小麦, 春小麦, 大麦, 水稲, ソルガム, 綿花の計36種類の生育ステージを、従来手法よりも精度良く推定できるようになった【RMSE: 5.6日(トウモロコシ)~12.3日(冬小麦)】(論文公表済)。 3.深層学習のフレームワーク構築 ステップ気候(灌漑地域)と湿潤性大陸気候(天水地域)を含む5つの州(ネブラスカ, カンザス, アイオワ, ミズーリ, イリノイ)をテストサイトとして設定した。開花期(Silking, Blooming stage)以降の気象データ(降水量, 最高気温等)および灌漑率を入力値とし、衛星データのみでトウモロコシ・大豆単収を推定した場合の誤差を推定するニューラルネットワークのフレームワーク構築のための解析プログラムを開発した。
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