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2017 年度 実施状況報告書

ニワトリ生殖細胞の移住能および性分化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K08039
研究機関筑波大学

研究代表者

田島 淳史  筑波大学, 生命環境系, 教授 (40207030)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードニワトリ / 生殖巣生殖細胞(GGCs) / 性分化 / MACS
研究実績の概要

RNAseq を行うためには、均一性の高い細胞が必要である。これまでに、ニワトリ初期胚生殖巣から生殖巣生殖細胞(GGCs)を回収する手法としてPBS(-)法を用いてきたが、体細胞とGGCsの比率は約50%であり、RNAseqを行うためにはGGCsの純度を一層高める必要がある。そこで、本研究ではまず免疫磁気細胞分離法(MACS)を用いたニワトリGGCsの回収分離を試みた。
雌雄のニワトリ5, 7 および9日胚から左側生殖巣を回収し、0.05%トリプシンで処理した後、口径30μmのナイロンメッシュでろ過することにより細胞懸濁液を作成した。この細胞懸液にSSEA-1(CD15)でコーティングされたマイクロビーズを添加し、MACSを行った後にGoat-anti-mouse IgM-FITCで標識し、蛍光顕微鏡下でFITC陽性細胞を観察した。
その結果、いずれの日齢の初期胚生殖巣から作成された細胞懸濁液を用いた場合においてもMACS処理後にGGCsの形態的特徴を有する細胞の比率は平均86-95% であった。この細胞を抗ニワトリVasa抗体を用いて染色したところVasa陽性であったことから、形態的にGGCsの特徴を有する細胞はGGCsであることが確認された。
一方、MACSで回収されたGGCsの移住能を検証することを目的に、PKH2蛍光色素で染色したのち、2日胚の血管内に移植することを目指したが、MACSで回収されたGGCSはPKH2蛍光色素で染色されないことが明らかになった。これは、マグネチックビーズがGGCsの表面に付着していることにより、PKH2蛍光色素の細胞膜内取込みが妨げられている可能性があることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の計画では、平成29年度中に RNAseqを行う予定であったが、RANseqの精度を上げるために当初計画を変更し、PBS(-)法にくらべてより多数の、しかも純度の高いGGCsを回収できると考えられるMACS法をニワトリ生殖巣生殖細胞(GGCs)の回収に用いることを試みた。その結果、MACS法を用いることにより極めて容易に純度90%以上のGGCSを多数回収できることが明らかになった。一方、新たにMACSにより回収されたGGCsの細胞生物学的特徴を明確にする必要が生じたことによりRNAseqの開始が遅れたが、純度の高いGGCsを多数用いることが可能になるため、データの質は向上すると考えられる。

今後の研究の推進方策

平成30年夏までにMACS法を用いて回収された生殖巣生殖細胞(GGCs)の細胞生物学的特徴を明確にしたうえで RNAseqを開始する。RNAseqには当初の予定通り雌雄のニワトリ5.7および9日胚の左側生殖巣からMACS法を用いて回収・濃縮されたGGCsを用い、RNAseqを行った後はデータの解析を行い、性分化に伴うGGCsにおける遺伝子の発現解析を行う。
MCASを用いた新たなGGCs回収法については平成30年度中に学会発表を行るとともに技術報告を公表する予定である。

次年度使用額が生じた理由

当初計画では、平成29年度にRNAseqを行う予定であったが、技術上の理由により平成30年度に順延したため次年度使用額が発生した。

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公開日: 2019-12-27  

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