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2020 年度 実施状況報告書

高免疫豚判別法の開発と商用集団における有効性の検証

研究課題

研究課題/領域番号 17K08057
研究機関国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

新開 浩樹  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究部門, 上級研究員 (30502687)

研究分担者 上西 博英  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 主席研究員 (80391556)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワードブタ / 感染症 / 抗病性 / 免疫 / 選抜 / 育種 / 遺伝子多型 / プロモータ
研究実績の概要

我々は、これまでに大ヨークシャー種を基礎豚として、白血球貪食能、補体代替経路活性、豚丹毒ワクチン接種後の抗体応答の3つの形質値を指標とした6世代に渡る選抜により、高免疫豚を作出した。本研究は、免疫能選抜により生じた遺伝的変化を明らかにすることで、抗病性改良のための遺伝子マーカーの開発に資することを目的とした。
高免疫豚および基礎豚由来の血液から培養したマクロファージを用いて、LPS刺激後の遺伝子発現のマイクロアレイによる比較を行ったところ、RNASEL、SAMHD1、STAT3、TMEM150C、TRIM21の5個の免疫系遺伝子の発現パターンに豚群間で有意な差があることが明らかとなった。
また、これらの遺伝子のプロモータ領域の多型検索と多型の組み合わせで構成されるハプロタイプの推定を行ったところ、それぞれの豚群に特徴的に出現する各遺伝子のプロモータ型が存在することが明らかとなった。
さらに、高免疫豚型と基礎豚型のプロモータが均等に存在すると予想される選抜3世代目の220頭のデータを用いて、プロモータ型と免疫形質との関連解析を行ったところ、RNASELの高免疫プロモーター型に白血球貪食能及び豚丹毒ワクチン接種後の抗体応答を亢進させる効果があることが明らかとなった。
これらのデータの取りまとめを行い、「The Journal of Veterinary Medical Science」誌に論文投稿した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究代表者が2018年4月~2020年7月の間、管理支援部門に配属となっていたため、研究の進捗はやや遅れているが、非常に有望な結果が出ており論文投稿も行ったところである。

今後の研究の推進方策

豚熱などのブタの感染症は現在大きな社会問題となっており、養豚業で大量に使用される抗生剤による薬剤耐性菌の出現とヒトの健康への悪影響についても、将来的に問題となることが予想される。豚の感染症対策として、既存の水際対策、衛生管理およびワクチン接種だけでは限界があることは明らかであり、抗病性育種という新たな方策があることをアピールしていく。養豚現場での利用を視野に入れて、種豚メーカーや公設試との連携を強化しているところである。

次年度使用額が生じた理由

研究代表者が2020年7月まで支援管理部門の所属であったため、研究に従事するエフォートが十分ではなく、使用額に余りが生じた。次年度は、実験データのさらなる充実と論文投稿のための費用として使用することを計画している。

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公開日: 2021-12-27  

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