アドレノメデュリン(AM)は多岐にわたる生理活性作用を有する血管作動性ペプチドである。本研究は、AMのウシ胎盤形成における機能調節因子としての役割を検証するとともに、母体血中AM動態と後期胚死滅との関連性を明らかにすることで、AMの後期胚死滅の指標としての有用性を検証することを目的とした。その結果、胎盤形成期および胚死滅の経過に伴う母体末梢血中AM動態の詳細が明らかとなり、AMが後期胚死滅を予察する指標となり得る可能性が示された。また、ウシ栄養膜細胞において、AMは遊走や浸潤を促進することにより、胎盤形成に伴う組織リモデリングに関与する機能調節因子であることが示唆された。
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