ヒツジの異常行動の一つである羊毛食いは、ヒツジが自身や他個体の被毛を齧り取って飲み込む行動であり、健康上の問題となっている。本研究では、ソーシャルネットワーク分析でハブ個体を抽出し、ハブ個体の除去により、羊群内における羊毛食い発現頻度の増減を調べた。また羊毛食い発現個体の行動的、生理的特徴を調べた。 その結果、第1、第2ハブ個体の除去で、除去前と比較して群全体の羊毛食い発現頻度は有意に減少した。羊毛食い発現頻度と社会順位、近接関係との相関は認められなかった。安静時伏臥位に比べて、伏臥位で羊毛食いを受容して逃避しなかった時の平均心拍数およびLF/HF値は高かった。
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