研究課題
昨年度より引き続き、脂肪前駆細胞3T3-L1に筋幹細胞特異的マーカーであるPax7を発現させた細胞株を用いて解析を引き続き行なっている。Pax7は転写因子であり、脂肪前駆細胞において転写調節機能を持つと考えた。Pax7を脂肪前駆細胞で発現させると、脂肪細胞マーカーの発現が抑制され脂肪滴形成も阻害されたことから、Pax7は脂肪分化を抑制能を持つことを明らかにした。しかしこの実験だけではPax7がどのようなメカニズムで抑制を行なっているのか不明のままである。そこで、クロマチン免疫沈降による解析を行いPax7がターゲットとする遺伝子群を探索し、さらにPax7が協調的に働くコファクターの存在有無を明らかにするためにPax7抗体を用いた免疫沈降を行い結合複合体同定にむけた条件検討を行なった。条件検討の結果、免疫沈降させるための超音波による破砕の時間と強度および免疫沈降に用いる至適抗体量を決定した。超音波破砕後の上澄にPax7抗体を加え沈降したPax7複合体とDNAの結合を確認した。さらにqPCR解析においてPax7強制発現株では抑制が認められた脂肪細胞マーカー因子DNAとの結合有無と結合した領域の同定実験を行なっている。さらに、脂肪分化抑制時に発現している遺伝子群を網羅的に解析するために、Pax7導入3T3-L1およびコントロール細胞に対して分化誘導を行い、脂肪分化誘導前の細胞と7日間脂肪分化を行なった細胞の発現RNAを比較するための解析準備を行なった。
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