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2019 年度 実績報告書

狂犬病ウイルスによる自然免疫回避機構の新概念「ストレス顆粒形成抑制」の分子基盤

研究課題

研究課題/領域番号 17K08083
研究機関鹿児島大学

研究代表者

正谷 達謄  鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 准教授 (70614072)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード狂犬病
研究実績の概要

抗ウイルス自然免疫に重要なウイルスセンサー蛋白質・RIG-Iは、ウイルスRNAを捕捉するにあたりストレス顆粒(Stress granule)とよばれる構造に集積することで、ウイルスセンサーとして機能することが明らかとなり、注目されている。初年度の研究では、どの遺伝子がストレス顆粒抑制に関わるか明らかにするため、西ヶ原株の遺伝子を一つずつNi-CE株のものに置換したキメラウイルスを作出した。その結果、M遺伝子がNi-CE株のもののみ、感染細胞にストレス顆粒を形成したため本年度も引き続きM遺伝子の機能の違いに注目して研究を実施した。前年度までに、弱毒のNi-CE株及び強毒の西ヶ原株のゲノムのうちM遺伝子をNi-CE株のものに置換したキメラウイルスNi(CEM)株が、感染細胞に細胞死を引き起こすのに対し、西ヶ原株そのもの細胞死を起こさないことを確認した。最終年度である本年度は、M遺伝子にコードされるM蛋白質の関与する細胞死シグナルの分子レベルでの解明を試みた。感染細胞に細胞死を引き起こすM蛋白質をが関与する細胞死シグナルパスウェイを特定するため、各株感染細胞におけるカスパーゼ3および7の活性を測定したところ、いずれの株に感染した細胞もカスパーゼ活性は上昇しなかった。このことは、M蛋白質が関与する細胞死はカスパーゼ非依存的な細胞死であることが示された。
狂犬病ウイルス感染細胞におけるSG形成に関わる因子を同定する調べる目的で、ゲノム編集によりSG形成に関わる因子であるPKRとその下流のG3BP1のノックアウト(KO)細胞を作出した。これらにNi-CE株を感染させてもSG形成が見られなかったことから、これら因子、とくに上流因子であるPKRが狂犬病ウイルス感染細胞におけるSG形成に関わっていることが示された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 2019

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 狂犬病ウイルスM蛋白質95位のアミノ酸が関与する細胞死誘導機構の解析2020

    • 著者名/発表者名
      児島一州、小澤真、伊藤直人、杉山誠、正谷達謄
    • 学会等名
      9th Negative strand virus-Japan symposium
  • [学会発表] Investigation of cell death mechanism induced by amino acid substitution at position 95 in rabies virus matrix protein.2019

    • 著者名/発表者名
      Isshu Kojima, Makoto Ozawa, Naoto Ito, Makoto Sugiyama, Tatsunori Masatani.
    • 学会等名
      The 18th Awaji International Forum on Infection and Immunity
    • 国際学会
  • [学会発表] 狂犬病ウイルスM蛋白質95位のアミノ酸が関与するアポトーシス誘導機構の経時的解析2019

    • 著者名/発表者名
      児島一州、伊藤直人、杉山誠、小澤真、正谷達謄
    • 学会等名
      第18回狂犬病研究会

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公開日: 2021-01-27  

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