研究課題/領域番号 |
17K08090
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
李 天成 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 主任研究官 (90370957)
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研究分担者 |
網 康至 国立感染症研究所, 動物管理室, 主任研究官 (10202699)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | Rabbit HEV / 人獣共通感染症 / リバースジェネティック / 動物モデル |
研究実績の概要 |
リバースジェネティック法を用いたRabbit HEVの作製 現在、数多くの新規のHEV株はサル、ラクダ、イノシシ、ヘラジカ、レッドフォクス、ウサギ、ラット、ミンク、フェレット、マングースおよびコウモリなどの動物から続々と発見されている。これらのウイルスがヒトに感染するか否かを明らかにするのは重要である。ウサギから分離されたRabbit HEVはヒト由来G1-G4 HEVと同じSpecies Aに属している。他のHEV株との遺伝学的な比較からヒト由来のHEVと類似することが明らかになっている。最近、急性E型肝炎患者からRabbit HEV遺伝子が検出されたことから、rabbit HEVがヒトにも感染することが示唆された。Rabbit HEVの細胞培養系が樹立されたが、リバースジェネティック法を用いたrabbit HEVの作製がまだ成功していない。 本年度はリバースジェネティック法を用いて、rabbit HEVの感染クローンを作製し、rabbit HEVのウサギへの感染性および病原性を評価した。まず、Capp構造を持つ全長rabbit HEV RNAを合成し、それをヒト肝癌細胞PLC/PRF/5にトランスフェクションした。細胞培養上清からrabbit HEV構造蛋白および全長RNA配列が検出されたので、リバースジェネティック法によるrabbit HEVの作製に成功した。また、回収したウイルスがPLC/PRF/5細胞とA549細胞にだけではなくウサギにも感染した。この結果はリバースジェネティック法を用いて感染性を有するRabbit HEVの作成に成功したことを示した。さらに、Rabbit HEVを感染したウサギではALTの上昇と伴う体重減少の臨床症状が認められた。今後は、Rabbit HEVが感染したウサギを動物モデルの可能性を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験設計が合理である。
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今後の研究の推進方策 |
1. ウサギにrabbit HEVに感染させ、病原性を検討した上、動物モデルの可能性を検討する。 2. G7 HEVに対するアカゲザルの感受性およびHEV-LPのワクチン可能性の評価
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末納品等にかかる支払いが平成31年4月1日以降となったため、当該支出分については次年度の実支出額に計上予定。
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