研究課題
2015年に発生したフィリピンのカニクイザル飼育施設におけるレストンエボラウイルスの流行では、過去の流行と同様、どこからウイルスが侵入したかは不明であり、サル飼育施設におけるREBOV流行の全容は明らかになっていない。REBOV抗体保有調査は主に組換えウイルス蛋白質を抗原としたELISA等により行われている。最近、抗原的に類似した未知のエボラウイルスの存在が示唆されていることから、これまで調査研究されてきた抗体反応がREBOVそのものに対するものなのか正確に判断できない可能性がある。本研究ではREBOV感染実態を解明するための新たな基盤技術を確立することを目的とし、REBOV特異的MAbを用いた競合ELISAによるREBOV抗体検出法の開発を試みた。被験血清サンプルとビオチン化モノクローナル抗体Res2-1D8を混合し、組換えREBOV NPを抗原とした競合ELISAに用いたところ、抗REBOV-NP抗体の検出が可能であった。同様の手法で抗GP抗体検出のため、抗GPモノクローナル抗体の作出を試みたが、特異的モノクローナル抗体を得ることができなかった。このため、免疫に用いるGP抗原の発現系の改良を行った。
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Neglected Diseases in Monkeys, Springer Nature Switzerland AG 2020
巻: 2020 ページ: 275-289
10.1007/978-3-030-52283-4_12