研究課題/領域番号 |
17K08102
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
西飯 直仁 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (20508478)
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研究分担者 |
柴田 早苗 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (20588917)
高島 諭 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教 (70734664)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | グルココルチコイド / 筋萎縮 / インスリン抵抗性 |
研究実績の概要 |
・グルココルチコイドとしてプレドニゾロンを長期投与したイヌにおいて、骨格筋断面積がCT解析および生検材料の組織学的検査において減少することを前年度に明らかにしたが、この際に生じる骨格筋内での遺伝子発現の変化について解析した。解析したグルココルチコイド応答性遺伝子の中でもGrb10の発現量増加が著しく、Grb10を介したインスリンシグナリングの抑制が、イヌにおけるグルココルチコイドによる筋萎縮の原因の1つである可能性が考えられた。Grb10の発現増加は同時にインスリン抵抗性の原因にもなり得るが、本モデルにおいては糖負荷試験における糖耐性低下は明確でなく、糖代謝への影響については明らかではなかった。 ・イヌ初代培養骨格筋を用いて、グルココルチコイドの作用を検討した。イヌ初代培養骨格筋は安定して筋管細胞へと分化誘導された。分化した培養筋管細胞にグルココルチコイドとしてデキサメサゾンを添加すると、筋管細胞径は有意に減少した。このことから、デキサメサゾン添加によってグルココルチコイド筋萎縮の病態が再現されたと考えられた。本実験系を用いて、グルココルチコイド添加による骨格筋での蛋白合成の抑制と、ユビキチン・プロテアソーム系およびオートファジーによる異化亢進の病態について解析を進めている。またこれらの病態を誘導するグルココルチコイド応答性遺伝子について、in vivoでの試験と同様に解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
定量PCR系において特異的な増幅が得られない遺伝子があり、当初の予定よりもやや進捗は遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
培養イヌ筋管細胞を用いた蛋白合成の抑制および異化亢進の病態について、定量PCRおよびウエスタンブロッティング等の手法によって解析を進める。またグルココルチコイド応答性遺伝子の発現解析をもとに、筋萎縮やインスリン抵抗性の原因として有力な分子の候補を決定し、遺伝子のノックダウン等による因果関係についての評価を行う。
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