小動物臨床領域において、クッシング症候群は犬で好発することが認識されている。クッシング症候群の犬は高コルチゾル血症により、様々な全身性の変化を引き起こす。その中で心血管系における影響は、左心室肥大や心機能障害が認めれることが知られており、心不全へと至るリスクを有している。しかし、クッシング症候群がどのようにこれらの変化を引き起こすのか、特に病理学的な変化について詳細な原因は解明がなされていない。本研究では慢性化した高グルココルチコイド血症が心筋に対して与える影響を経時的に評価し、病理組織学的を比較・検討することで、心筋肥大の原因が心筋の線維化により引き起こされている可能性を示した。
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