肝細胞は単層で培養すると、本来の薬物代謝能を発揮できないばかりでなく、わずか数日しか生存維持ができない。本研究では薬物代謝能を持った生体外肝組織の構築を目指すことを最終目標とした。犬肝細胞(cHep)または犬骨髄由来肝様細胞(ciHep)、ヒト臍帯静脈内皮細胞、イヌ間葉系幹細胞(At-MSC)を混合し、約500umの大型細胞凝集塊を作製した。ciHepと比較してcHepを細胞ソースとした凝集塊はより高いレベルでCYP450遺伝子を発現した。細胞凝集塊を3Dプリンターで積層して作成した人工肝組織は、中心が肝細胞でその周囲をAt-MSCが囲む3次元構造が構築された。
|