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2019 年度 実績報告書

アセチルコリン関連酵素がグリア細胞機能を制御調節する可能性

研究課題

研究課題/領域番号 17K08117
研究機関麻布大学

研究代表者

坂上 元栄  麻布大学, 獣医学部, 教授 (60348589)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードAChE / ChAT / ACh / グリア細胞
研究実績の概要

本研究の目的は「アセチルコリン(ACh)関連酵素のグリア細胞活性化への制御可能性とその機序について明らかにすること」である。この目的を達成するために本年度は,AChEがグリア細胞の活性化制御因子として働くかを検討した。新生子マウスから調整したAstrocyte初代培養細胞を用いて,Astrocyte活性化時のAChEの酵素活性を測定した。活性化誘導因子(IL-1alpha,IL-1beta, IFN-gamma, TNF-alpha, LPS)により活性化したAtrocyteでは,AChE酵素活性が増加傾向を示した。前年度の研究結果により,マウス脳損傷モデルでは脳損傷部位にAChが多く見られたことから,AChと活性化誘導因子を処理しAChE活性の変化を検討した。AChと活性化誘導因子処理により,アストロサイト細胞内および培養上清中のどちらのAChE酵素活性も有意に増加した。AChE阻害剤Hupperzine Aを処理によって,活性化誘導因子処理によって増加したAChE酵素活性は減少したが,一方で,活性化マーカー(IL-6,IL-1beta,TNF-alpha)のmRNA発現レベル増加には有意な影響を示すことはなかった。脳損傷部位へのAChEの影響を検討するため,マウス脳損傷モデルを用いて,AChE阻害剤Donepezilを投与してAChE活性を阻害したときの脳損傷部位への影響を検討した。脳損傷処置7日後の損傷部位の直径が予想外にもDonepezil投与により増加した。また,その免役組織学的検索ではAstrosyteマーカーGFAP陽性細胞は変化が見られなかったが,Donepezil 投与によりMicroglia/MacrophageマーカーCD68陽性細胞が増加した。これらのことから,AChEはAstrocyteよりもmicrogliaに作用する可能性が考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Immunohistochemical analysis for acetylcholinesterase and choline acetyltransferase in mouse cerebral cortex after traumatic brain injury2020

    • 著者名/発表者名
      HORIO Tomoyo、OZAWA Aisa、KAMIIE Junichi、SAKAUE Motoharu
    • 雑誌名

      Journal of Veterinary Medical Science

      巻: -- ページ: In press

    • DOI

      https://doi.org/10.1292/jvms.19-0551

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Acetylcholine suppresses the increase of glia fibrillary acidic protein expression via acetylcholine receptors in cAMP-induced astrocytic differentiation of rat C6 glioma cells2019

    • 著者名/発表者名
      Ozawa Aisa、Kadowaki Erina、Horio Tomoyo、Sakaue Motoharu
    • 雑誌名

      Neuroscience Letters

      巻: 698 ページ: 146~153

    • DOI

      10.1016/j.neulet.2019.01.020

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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