本研究では,神経伝達物質アセチルコリン(ACh)とACh関連酵素,特にAChエステラーゼ(AChE)のグリア細胞活性化制御の可能性を検討した。マウス脳障害モデルでは,脳障害部位で活性化したグリア細胞にAChE及びコリンアセチルトランスフェラーゼChATの陽性反応及びAChの増加が見られた。一方で,初代培養アストロサイトの活性化状態は,AChE阻害剤処理によって変化が見られなかった。脳障害モデルの脳障害部位の大きさが減少すると想定しAChE阻害剤を投与したが,予想外にも増大し,マイクログリア活性化マーカーの増加が見られたことから,AChEがマイクログリア活性化に影響を及ぼす可能性が考えられた。
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