研究課題
研究代表者はこれまでに、モデル生物であるショウジョウバエや線虫からいくつかの新しい生理活性ペプチドを発見してきた。その中で特に摂食行動を調節するペプチドについて基礎研究、応用研究を行なった。食欲は生命維持に必要なエネルギー摂取のためのもっとも基本的な生命活動であり、その調節メカニズムを解明しコントロールすることが出来れば、人での創薬はもちろん、家畜、養殖魚類や有用昆虫の効率的育成、害虫の駆除などに応用でき非常に意義深い。ホ乳類における摂食調節機構の解明はニューロペプチドYファミリーペプチドを中心として詳細に検討されている。しかし未だその全貌は明らかになっていない。これは高等生物の複雑な身体構造に起因していると考えられる。そこで研究代表者は、シンプルな構造を有しているモデル生物に注目し、ショウジョウバエにおいて新規NPY様ペプチドdRYamide-1、dRYamide-2、線虫においてLURY-1-1、LURY-1-2を発見してきた。そしてこれらのペプチドがモデル生物において摂食行動を巧妙に調節していることを明らかにし報告した。さらに最近、蚊の吸血行動を制御する受容体であるNPYLR7AにショウジョウバエdRYamideに相当するaRYamideが作用し、吸血行動に影響を与えることを明らかにした。また、並行して線虫での新規生理活性ペプチドの探索を行い、哺乳類ニューロメジンUに類似するCeNMU-1を単離・同定した。
すべて 2020 2019 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
The Journal of Steroid Biochemistry and Molecular Biology
巻: 196 ページ: 105493~105493
10.1016/j.jsbmb.2019.105493
Endocrine Journal
巻: 67 ページ: 73~80
10.1507/endocrj.EJ19-0169
巻: 66 ページ: 943~952
10.1507/endocrj.EJ19-0274
実験医学
巻: 37 ページ: 1~8
http://www.cc.miyazaki-u.ac.jp/a0d203u/