好中球やマクロファージは食細胞NADPHオキシダーゼ(NOX2)やミエロペルオキシダーゼ(MPO)によって活性酸素を産生して感染防御を営む。本研究は、両酵素の欠損マウスが易感染性を示すだけでなく、感染非依存的にも重篤肺炎を発症するメカニズムを探った。その結果、(1)死菌刺激を受けたMPO欠損好中球やNOX2欠損マクロファージからの炎症性サイトカインの過剰産生が肺炎重篤化の一因であること、(2)その過剰産生にはdectin-1受容体とMAPキナーゼ類の過剰活性化が関与すること、(3)活性酸素産生異常という自然免疫系異常は、炎症重篤化を導くだけでなく獲得免疫異常も招くこと、を示唆する結果を得た。
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