ウシ子宮内膜細胞に存在するside population(SP)細胞とSP細胞以外の子宮内膜細胞における遺伝子発現をRNA-seqにより解析した結果、SP細胞は幹細胞/前駆細胞様の特性を有し、その一部は骨髄由来である可能性が考えられた。子宮内膜細胞におけるSP細胞の割合は分娩直後に低く、その後、徐々に増加することが示されており、SP細胞は分娩後に子宮内膜細胞に分化、増殖する可能性が考えられた。また、高産次で低受胎傾向牛の子宮内膜SP細胞割合は低産次で正常受胎牛と同程度であったことから、SP細胞の割合は産次による影響を受けず、SP細胞の多寡が受胎性に影響を及ぼす可能性も低いことが考えられた。
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