昆虫の脱皮や変態は体液中へと分泌される主に2つのホルモンによって制御されている。ひとつは脱皮を誘導するエクジステロイドで、もう一方は現状維持作用を持つ幼若ホルモン(JH)である。これらホルモンへと応答して、各組織・器官に特有な現象が引き起こされる。昆虫は開放血管系であり、全ての細胞が同時期に同濃度のホルモンに曝されるにも関わらず異なる作用を引き起こす。そこでJHへの細胞特異的な応答に着目し、この機構の解明を試みた。その結果、種々の遺伝子が細胞の存在する位置特有にホルモンへの応答を示し、またその応答の制御に一部のhomeotic geneが関わる可能性を見出した。
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