研究課題
基盤研究(C)
短寿命の昆虫種の中にあって「寿命と生殖のトレードオフ」を打ち破り, 10年以上の超長寿命と多産を可能にしたヤマトシロアリの生存戦略について,抗酸化システムに注目した解析を行った。その結果ヤマトシロアリは他種の昆虫に比べて非常に優れた抗酸化システムを有しており,特に長寿の生殖虫では抗酸化酵素そして酸化傷害修復酵素がその長寿命と高い生殖能に積極的に働いていることが示唆された。
生化学
長寿を可能にしたシロアリの戦略はヒトとは一見異なるように見える。しかし, 本研究からヒトの老化抑制・健康寿命延長にも応用可能な知見が得られたと我々は考えている。今まで老化・寿命の生物モデルとして扱われてこなかった生物を, 真に長寿命な生物として研究対象として取り扱うことが可能であることを示したことで, 今後のこの分野のブレークスルーが期待できる。