土壌伝染性の植物病害を予防するために、本研究では植物根から菌類を網羅的に検出して被害想定する方法「群集解析法」を開発した。同法によって秋田県11地域の水田土壌でイネの芽や根から土壌伝染性のPythium属菌を各地域で50株ほど採取し、少なくとも合計16種以上存在することが明らかになった。また、各地の種割合は大きく異なるとともに、種ごとでイネへの病原性に様々な強弱を示した。これらのことから、各地域で土壌病原菌によって発生する被害を想定するには、採取土壌で生育したイネなどの植物根から50菌株前後分離し、群衆解析法による分離菌の種割合を明らかにすることで可能になると考えられた。
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