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2022 年度 実績報告書

気候変動への適応に資するグリーンインフラストラクチャーの導入モデルの検討

研究課題

研究課題/領域番号 17K08180
研究機関千葉大学

研究代表者

木下 剛  千葉大学, 大学院園芸学研究院, 教授 (30282453)

研究分担者 永瀬 彩子  千葉大学, 国際教養学部, 教授 (80544535)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワードグリーンインフラ / ニーズ評価 / 機能評価 / 戦略的計画 / ネットワーク / 広域計画
研究実績の概要

最終年度は敷地レベル並びに広域レベルのグリーンインフラ(GI)導入手法に係る補足調査を行った。敷地レベルのGI導入では、一般的な緑地計画と同等かそれ以上に階層性を踏まえたGIのニーズ・機能の把握が重要であること、広域的なGIネットワークを構成する要素としての敷地レベルのGIという視点が求められることを、イングランドにおける広域自治体及び基礎自治体のGI計画の調査から明らかにした。また、以上の計画立案を円滑かつ証拠に基づいて進めるための手段として、イングランドで実用化されているGIマッピングデータベースの有効性を確認した。
広域レベルのGI導入については、本邦では、例えば淀川水系寝屋川ブロックの河川整備計画における治水緑地や多目的遊水地の計画に、その萌芽を見て取ることができる。この計画がなぜGIの広域計画と呼べるのか、この計画で整備された治水緑地や多目的遊水地がなぜGIと呼べるのか。その理由として、ニーズ(この場合は治水上必要となる貯留量)と機能(現時点で達成している貯留量)のギャップを埋める戦略的な計画という、インフラの基本的な計画手法が展開されていること、自然立地や歴史的な土地利用を踏まえた治水緑地・多目的遊水地の配置が行われていること、それらを緑地化することで治水にとどまらない多様なサービスを実現していることなどがあげられる。
このような意味でのGIの広域計画、とりわけニーズ評価に基づく戦略的な計画手法が本邦GI計画のモデルとなる。ところで、気候変動適応に代表される今日的なニーズ(社会課題)に対処するには、多くの場合GI以外のインフラによるサービスも重要となる。そこでは、他のインフラと共にGIがどの程度のサービスを分担するべきかという問題が生じるが、これについて一般的な判断基準を設けるのは恐らく難しい。地域の特徴や実情に応じて個別に判断、決定されるべきであろう。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 英国におけるグリーンインフラ・プランニング:イングランドのケーススタディ2022

    • 著者名/発表者名
      木下剛
    • 雑誌名

      都市計画

      巻: 71(5) ページ: 38-41

  • [学会発表] グリーンインフラによる持続可能なまちづくり2022

    • 著者名/発表者名
      木下剛
    • 学会等名
      (公社)街づくり区画整理協会三部会総会
    • 招待講演
  • [学会発表] 実例からみるグリーンインフラの概念と意義2022

    • 著者名/発表者名
      木下剛
    • 学会等名
      セントラルコンサルタント株式会社2022年度技術発表会
    • 招待講演
  • [学会発表] NbSって何?グリーンインフラはもう古い?2022

    • 著者名/発表者名
      木下剛
    • 学会等名
      下町×雨・みどりプロジェクト,第3回「まち」と「水」を知る連続ワークショップ,NPO法人雨水市民の会
    • 招待講演
  • [学会発表] 生存のランドスケープ~攪乱を受け容れるまちづくりとグリーンインフラ~」2022

    • 著者名/発表者名
      木下剛
    • 学会等名
      日本学術会議公開シンポジウム・第13回防災学術連携シンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] グリーンインフラと持続可能なまちづくり2022

    • 著者名/発表者名
      木下剛
    • 学会等名
      緑と水辺のまちづくりに関するWEBフォーラム,千葉市都市局公園緑地部緑政課
    • 招待講演
  • [学会発表] 英国のグリーンインフラ計画にみるニーズの評価と証拠に基づく政策立案(EBPM)の試み2022

    • 著者名/発表者名
      木下剛
    • 学会等名
      国土交通省グリーンインフラの社会実装に向けた緑の基本計画のあり方検討会
    • 招待講演
  • [図書] 造園がわかる本 第二版;思想:グリーンインフラ(pp.24-25)2023

    • 著者名/発表者名
      赤坂信 編,「造園がわかる」研究会 著
    • 総ページ数
      279
    • 出版者
      彰国社

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公開日: 2023-12-25  

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