本研究では,膜局在型ユビキチンリガーゼATL31が膜交通制御因子SNAREの機能制御に関わるという発見を突破口に,植物の優れた環境ストレス適応機構の解明に取組んだ。膜交通系は,細胞膜上の環境シグナル受容体・伝達因子や輸送体の機能制御に重要な役割を果たす。その一方で,環境シグナルに応じた膜交通系構成因子自体の機能変換に関する知見はほとんど無い。その結果,ATL31がTGNを含む複数の膜コンパートメントに局在すること,ATL31が特定のSNAREタンパク質をユビキチン化することが分かった。また,特定のSNAREタンパク質のユビキチン化状態が環境ストレスに応答して変動することを見出した。
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