血糖値の恒常性維持や寿命延長の鍵となる転写因子FOXO1は、インスリン-Aktシグナル経路を介したリン酸化に加えて、CBPによるアセチル化制御を受けることが知られていたが、アセチル化の引き金となる生理的条件は不明であった。本研究では、「過剰なグルコース代謝が細胞内のアセチルCoA量を上昇させることでFOXO1のアセチル化を亢進する」という仮説の検証を進め、高グルコース条件下で培養したヒト細胞株では、解糖系の代謝を介してFOXO1のアセチル化が亢進することを見出した。また線虫のFOXO1オルソログであるDAF-16のアセチル化も高グルコース条件下で亢進し、リン酸化非依存的に寿命を短縮した。
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