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2017 年度 実施状況報告書

プロモーター域に配置したイントロンによる翻訳レベルのタンパク質発現増強機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 17K08198
研究機関山口大学

研究代表者

星田 尚司  山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (00314823)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードイントロン / 発現増強 / Saccharomyces cerevisiae
研究実績の概要

イントロンによるタンパク質発現増強はIntron-mediated enhancement (IME)と呼ばれ,植物,動物で良く知られているものの,発現増強機構は解明されていない。本研究では酵母Saccharomyces cerevisiaeを用いてIMEの機構の解明を行う。
おなじアミノ酸配列の酵素ルシフェラーゼをコードする遺伝子であるyCLUcとhCLucはイントロンによる発現増強効果が全く異なる。そこで両遺伝子を組合わせたキメラ遺伝子を作製して酵母で発現させルシフェラーゼ活性を測定して,イントロンによる増強に関連する発現遺伝子側の配列の探索を行った。まず,明らかになったのは,yCLucは発現に問題があり,hCLucに比べ非常に発現レベルが低いことと,イントロンを与えることでこの問題が解決される事であった。さらに解析を進めると,yCLUcの5'側の配列に発現を低下させる原因配列が存在することが明らかになった。
IMEに必要なイントロン中の配列を決定するために酵母ゲノムに存在する100 bp以下の長さのイントロンをプロモーターとコーディング配列の間に入れ発現増強を調べると,程度の違いはあったがどのイントロンでも発現増強された。そこで,発現増強効果が高く短いイントロンを選び,その配列を部分的に削除した配列を作成し発現増強効果を調べた。その結果,イントロンの5' 6塩基,ブランチポイントを含む3'側の20塩基の計26塩基が必要で,これ以上削除すると,あるいはこれらの配列に変異を入れると増強効果が大きく低下することが明らかになった。また,最小配列でさえスプライシングは生じておらず,IMEにスプライシングは必須ではないことが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成29年度の当初計画での目標が,(1)イントロンによる発現増強に関わる発現遺伝子側の配列を決定することと,(2)IMEに必要な最小の配列を決定するとともに発現増強とスプライシングの関係を明らかにすること,であったので,計画通り順調に進展している。

今後の研究の推進方策

IMEの機構解析のために,関連するタンパク質を探索することが重要であると考えている。そこで酵母遺伝子破壊株セットを用いて網羅的に,IMEに必要なタンパク質を探索する。イントロンを与えても発現の低い遺伝子破壊株が存在すれば,それらがIMEに必須のタンパク質であり,これらタンパク質の機能解析を進めることでIMEの機構を明らかにできる。また,発現に問題をおこす配列,言い換えるとイントロンにより発現増強される配列をより詳細に解析して問題の原因を突き止める。こちらのアプローチでもイントロンの役割に迫ることができる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 酵母Saccharomyces cerevisiaeにおいてタンパク質発現を増強させるイントロン配列の解析2018

    • 著者名/発表者名
      後藤聡志,近藤真樹,星田尚司,赤田倫治
    • 学会等名
      日本農芸化学会2018年度大会,3A08a02,3月17日,名古屋市

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公開日: 2018-12-17  

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