ロジウム触媒よるアリルアルコールの異性化反応はこれまで詳細に研究されてきた。今回、本研究代表者はこの反応の鍵中間体であるオキサパイアリル中間体を利用した新たな反応の開発を検討した。その結果、アリルアルコールを側鎖に持つエニンと光学活性なロジウム触媒を反応させると、四置換炭素を持つ5員環化合物が良好な収率および不斉収率で生成することを見出すとともに、本反応を分子間反応へと展開した。また、本反応を検討中に、ロジウム触媒によるアリルアルコールの異性化、続くヒドロアシル化反応により7員環化合物が生成する新たな反応も見出した。さらに、C-H結合活性化を伴う触媒的不斉環化反応の開発にも成功した。
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