研究課題
我々は、Z型配位子の電子受容性が、中心金属の電子密度を下げてそのルイス酸性を向上し、新たな反応性創出をもたらすのではないかと考えた。そこで、Z型配位子(ホウ素)を有する新規金錯体[Au(DPB)L]X (DPB = diphosphine-borane)を各種合成した。また、その触媒反応を検討したところ、空気中の二酸化炭素を利用した室温下でのプロパルギルアミン誘導体との触媒的環化反応において、一般の金触媒よりもZ型金触媒を用いた場合に良好な収率で目的の環化体が生成した。さらに、エン-オール体にZ型金触媒を処理したところ、7-endo-trig型環化反応が進行し、対応する2,2-ジメチルオキセパン誘導体が効率よく得られることを見出した。Z型配位子は中心金属の電子を受容するため、金属のd電子数や形式酸化数に影響を及ぼす可能性がある。そこで、より強いルイス酸性の獲得を目的に一般的な３価の金にZ型配位子を導入したAu(DPB)Cl3を合成し、そのカチオン性触媒[Au(DPB)](SbF6)をイン-インドール体と処理したところ、ダイマー型環化体が高収率かつ高ジアステレオ選択的に得られることを見出した。
すべて 2020 2019 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 4件、 招待講演 5件) 備考 (1件)
Bull. Chem. Soc. Jpn.
巻: just accepted ページ: just accepted
10.1246/bcsj.20200007
環境浄化技術
巻: 1/2月号 ページ: 1/2月号
Tetrahedron Lett.
巻: in press ページ: in press
10.1016/j.tetlet.2019.151038
Tetrahedron Letters
巻: 60 ページ: 151231～151231
10.1016/j.tetlet.2019.151231
Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis
https://www.inagakilab.com
