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2018 年度 実施状況報告書

抗腫瘍活性を有するジテルペノイドの効率的合成法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K08223
研究機関東京薬科大学

研究代表者

小林 豊晴  東京薬科大学, 生命科学部, 准教授 (40570883)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード全合成 / ジテルペノイド / 立体選択的合成 / アミジオール類 / Pauson-Khand 反応 / イソリネアロール
研究実績の概要

今年度も前年度に引き続きアミジオール類のABC環部に相当する三環性化合物の合成を目指した。一つ目の合成経路である、Pauson-Khand反応を鍵反応とする経路では、2-メチル-1,3-シクロヘキサジオンの活性メチン部にアリル基を導入した化合物の二つのカルボニル基を環状アセタールで保護した化合物からPauson-Khand反応に必要な三重結合を含む側鎖ユニットの合成を行なった。まず、アリル基の酸化開裂を行い、対応するアルデヒドとした後、3-メチル-1-ブチンを付加させた。得られた化合物の第二級アルコールをバートン法により還元することで、三重結合を含む側鎖ユニットの合成に成功した。今後は二つの環状アセタールの脱保護と、すでに確立している3連続不斉中心構築法により、Pauson-Khand反応前駆体を合成する。その後、ABC環部に相当する三環性化合物の合成を達成する予定である。
また二つ目の合成経路であるヘミアセタール架橋部を有する三環性化合物を経由する合成経路では、1,4-付加反応による立体選択的なメチル基の導入が進行せず、不斉第四級炭素の構築には至らなかった。そこで前年度確立したAB環部合成法を基に先にメチル基を導入したAB環部に相当する化合物を合成し、その化合物に対して立体選択的アリル基の導入を検討したところ、立体選択的に不斉第四級炭素を構築することに成功した。今後はこのアリル基から分子内アルドール縮合に必要な側鎖を伸張し、C環部の構築を目指す。また不斉第四級炭素を構築した化合物からはアミジオールを共通の部分構造を有するジテルペノイドイソリネアロールの合成研究も行い、全合成に必要な全炭素骨格および不斉炭素の構築に成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

二つの経路によりアミジオールの全合成を目指しており、一つ目の経路では、Pauson-Khand反応を行うために必要な三重結合を含む側鎖ユニットの合成法と三連続不斉中心の合成法を確立した。二つ目の経路では、アミジオールおよびアミジオールアセテート合成に必要なすべての不斉炭素の構築に成功した。また、この合成法を用いてイソリネアロールの全合成研究も新たに開始し、すでに基本骨格の合成に成功した。

今後の研究の推進方策

今後も二つの経路によりアミジオールの全合成を目指す。一つ目の経路では、これまでに確立した三重結合を含む側鎖ユニットの合成法と三連続不斉中心の合成法を組み合わせて、Pauson-Khand反応前駆体を合成し、アミジオール類のABC環部に相当する三環性化合物の合成を目指す。二つ目の経路では、不斉第四級炭素を構築することに成功した化合物のアリル基から分子内アルドール縮合に必要な側鎖を伸張し、C環部の構築を目指す。またこの合成経路を用いて共通の部分構造を有するジテルペノイド イソリネアロールの全合成も達成する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 海産ジテルペノイドIsolinearolの合成研究2019

    • 著者名/発表者名
      富田結、山野上琴乃、小林豊晴、川本諭一郎、伊藤久央
    • 学会等名
      日本薬学会第139年会
  • [学会発表] Isolinearolの三環性骨格部位の合成研究2018

    • 著者名/発表者名
      富田結、山野上琴乃、小林豊晴、川本諭一郎、伊藤久央
    • 学会等名
      第62回日本薬学会関東支部大会
  • [学会発表] 海産ジテルペノイドIsolinearolの三環性骨格部位の合成研究2018

    • 著者名/発表者名
      富田結、山野上琴乃、小林豊晴、川本諭一郎、伊藤久央
    • 学会等名
      第62回香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会

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公開日: 2019-12-27  

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