研究課題
基盤研究(C)
有機強塩基触媒によるアミノアルケンの分子内ヒドロアミノ化環化反応に取り組んだ。ホスファゼンt-Bu P4塩基を用いると、極めて高い収率で環化体が得られることを見出した。本反応にはホスファゼンの高い塩基性が重要であり、通常よく用いられる有機塩基では反応は全く進行しなかった。反応には高温・長時間を要したが、様々な基質に対し本反応は進行した。またマイクロ波照射条件により反応時間を大幅に短縮することができた。分子内ヒドロアルコキシ化反応への適用も可能であった。
化学系薬学
本反応の意義の一つは、生物活性化合物に良く見られる複素環の簡便な触媒的合成法になり得るという点である。アルケンに対する分子内アミンの付加反応では窒素複素環が、アルコールの付加反応では酸素複素環が構築できる。本法により、生物活性化合物に良く見られるイソキノリン、イソインドリン、イソベゾフラン骨格を構築できる。また、金属フリーのアニオン種の反応性を評価できる点も大きな特徴である。