研究課題/領域番号 |
17K08230
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
森本 功治 立命館大学, 薬学部, 助教 (10543952)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ヨウ素 / カップリング / グリコシル化 |
研究実績の概要 |
糖鎖医薬品や天然由来の生理活性配糖体を簡便かつ効率的に合成できるグリコシル化反応の開発は、有機合成上の重要なテーマである。近年の糖鎖合成において、チオグリコシドは、そのC-S結合が保護基となり得る一方で、反応剤を選択すると特異的に活性化できることから特に注目されているドナー基質(グリコシル化ドナー)である。今回、我々はこれまでに三価超原子価ヨウ素反応剤を用いた種々のカップリング反応の開発研究を行ってきた。そこでこれ迄の知見を活かし、新しい優れたグリコシル化反応の開発を検討した。その結果、無臭チオールから誘導したグリコシルスルフィドをドナー基質として用い、アルコールとの反応を行ったところ、グリコシル化反応が高収率で進行することが分かった。さらに2糖類の合成、3糖類の合成も本方法を用いることで可能であることがわかった。また研究代表者はこれまでに、ヘテロ芳香族化合物であるピロール類のクロスカップリング反応の開発に成功している。本反応ではピロール類において、ヨードニウム中間体を経由することで、選択的にクロスカップリング反応が進行する。しかし反応では当量のヨウ素反応剤を用いるために、反応終了後にヨードベンゼンの副生が見られた。そこで当研究室で開発に成功しているアダマンタン骨格を有するリサイクル型の新規ヨウ素反応剤を適用することにより、廃棄物の少ない実用的かつ、効率的なヘテロ芳香族ビアリール類合成法へと発展させることに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新しい結合形成反応へと展開できており、またグリコシル化と芳香族のカップリングと新しい知見のもと実験を遂行できていると考えている。またヘテロ芳香族化合物であるピロール類の、効率的なクロスカップリング反応への展開にも成功している。
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今後の研究の推進方策 |
生理活性配糖体を簡便かつ効率的に合成できるグリコシル化反応の開発は、有機合成上の重要なテーマである。研究代表者はグリコシル化反応を検討し、最近超原子価ヨウ素反応剤を用いたチオグリコシドのグリコシル化反応が効率的に進行することを明らかとした。そこで本年は超原子価ヨウ素反応剤を用いたチオグリコシドの活性化によるグリコシル化反応を検討する。またグリコシドは生体内で一般に見出される対応するグリコシドと異なり、加水分解等のアノマー位代謝分解を受けにくいため、糖分子が結合した配糖体や糖鎖を認識する酵素や蛋白質を標的とした医薬品開発において重要な分子と注目を集めている。そのため、現在までにも多くのグリコシル化反応が開発されてきているが、現在の方法は望まない副反応や副生成物が生じる等の問題点を有しており、有用なグリコシル化反応は報告されていない。またヘテロ原子を有する芳香族化合物のカップリング反応として、sp3炭素とのカップリングを検討する。本手法の確立により、現在用いられている重金属酸化剤や遷移金属を用いたグリコシル結合形成反応に代わる新たな手法として期待できる。
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