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2018 年度 実施状況報告書

超音波の物理的刺激を利用した非侵襲的ワクチン接種法構築のための基礎検討

研究課題

研究課題/領域番号 17K08246
研究機関城西大学

研究代表者

上田 秀雄  城西大学, 薬学部, 教授 (50326998)

研究分担者 木村 聡一郎  城西大学, 薬学部, 准教授 (30433650)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード皮膚免疫 / ランゲルハンス細胞 / 物理刺激 / 超音波 / langerin
研究実績の概要

本研究では、物理的な経皮薬物吸収促進法が薬物送達だけでなく皮膚免疫細胞を活性化し、経皮ワクチン接種に利用できるかどうかを検討する。本研究で着目したsonophoresisでは、皮膚表面への超音波(US)のキャビテーションや温熱作用が物理的刺激になりうる。そこで、平成29年度でUS適用がLCの活性化に寄与するかについて、平成30年度でLCの活性化に対するUS適用条件の影響について検討してきた。
麻酔下雌性へアレスラットの左腹部にチャンバーを装着し、リン酸生理緩衝液を入れ、USホーンをセットした。20 kHz(低周波数)、1および3 MHz(高周波数)のUSを適用し、一定時間経過後に皮膚を摘出して表皮シートを調製した。活性化したLC樹状突起先端に特異的に発現するlangerinをマーカーとして免疫染色法によって検出し、共焦点レーザー走査型顕微鏡で観察した。
平成30年度は、超音波適用後のlangerin蛍光シグナル強度の経時変化に関する検討として、20 kHz、1および3 MHz超音波を10分間適用し、6, 12, 24時間後に摘出した表皮において、langerin蛍光シグナル強度は12時間で最大値を示した。12時間後の表皮では、すべての超音波周波数条件で対照に比べて有意に高く、20 kHzで最も高かった。②Langerin蛍光シグナル強度に対する超音波適用時間の影響に関する検討として、20 kHz超音波を1~10分間、1および3 MHz超音波では1~20分間まで超音波を適用し、その12時間後のlangerin蛍光シグナル強度を測定した。シグナル強度は10分間までの適用では時間依存的に増大し、それ以降は変わらなかった。

以上、検討した超音波条件において、超音波による物理的刺激が表皮内のLCの活性化を惹起し、その活性化の程度を超音波周波数や適用時間で制御できる可能性があると示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

モデル抗原を用いた抗体産生を測定する検討ではマウスを利用する。ヘアレスラットを用いた検討では、種々のUS適用条件においてlangerinの発現誘導が確認されたが、マウスで同様の結果が得られるかについての検討中であり、時間を要していることが一因である。また、動物種の変更により、モデル抗原として予定しているovalbuminの皮内送達に関する予備検討も現在準備段階である。

今後の研究の推進方策

現状、平成31年度に検討を予定している内容に直結する予備的な条件検討に時間を費やしているが、sonophoresis 抗原送達試験については、当研究室でこれまでに得られてきた経皮送達研究の基礎的知見を活かして、その後の抗体産生の評価を円滑に進行できるように、丁寧に予備検討を実施したいと考えている。
この検討が終了後には、予定通りの検討項目を進めることができるものと考えている。

次年度使用額が生じた理由

抗原送達試験および抗体産生測定までは検討が進んでおらず、それらで必要とされる測定キットなどの購入に至っていないことが理由の一つである。 今年度、抗原送達および抗体産生に関する検討が進められると考えているので、測定キットの購入や学会参加に必要な旅費として予算を使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 1 MHz超音波適用が表皮ランゲルハンス細胞の活性化に及ぼす影響2019

    • 著者名/発表者名
      遠城聡子、宮沢 睦、木村聡一郎、森本雍憲、上田秀雄
    • 学会等名
      日本薬剤学会第34年会
  • [学会発表] 超音波適用が表皮ランゲルハンス細胞の活性化に及ぼす影響2018

    • 著者名/発表者名
      遠城聡子、木村聡一郎、森本雍憲、上田秀雄
    • 学会等名
      日本薬剤学会第33年会

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公開日: 2019-12-27  

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