食品産業や廃棄物処理産業にて行われてきた低温粉砕は,被粉砕物を液体窒素にて冷却後,ハンマー粉砕をする乾式粉砕であった.本技術は,被粉砕物を液体窒素中に浸漬したままビーズ粉砕する湿式粉砕であり,容易にサブミクロン領域まで微粉砕できる点が優れている.分散媒の液体窒素は,粉砕工程後に自発的に揮発するため,乾燥工程を必要としない省エネルギー型工程でもある.粉砕品は水相中での溶解性が劇的に改善されることから,近年の創薬活動で課題となっている難溶性医薬品候補化合物の製剤設計としての有用性が高い.また,電子材料や印刷トナーのコンタミレス微粉砕にも応用が可能であり,利用価値があろう.
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