研究課題
平成31年・令和元年度では、シトクロムP450(CYP)およびジヒドロピリミジナーゼ(DHP)、カルボキシエステラーゼ(CES)、N-アセチルトランスフェラーゼ(NAT)のシミュレーションを行った。これらについては野生型および変異型のシミュレーション、あるいはヒトおよびイヌタンパク質のシミュレーションを行い、その結果を比較した。前者では遺伝子変異の影響が酵素活性に与える影響、後者では生物種差がタンパク質に与える影響を立体構造の観点から明らかにした。CYPについては前年より行っているCYP2C8およびCYP2A6に加えてCYP2A13のシミュレーションも開始したが、いずれにおいても基質認識部位およびレドックスパートナー結合部位の立体構造に影響が現れた。またこれらは類似した分子種であるにもかかわらず活性部位のサイズに大きな違いがあるが、それがタンパク質柔軟性の差異にも繋がっていることが明らかとなった。DHPでは亜鉛周辺の構造変化が見られたが、それがその部位のみに留まらず、比較的遠方のループ構造の変化へと繋がっていることが見て取れた。CESではイヌのCES2の立体構造がシミュレーションの過程で不安定となり、イヌCES2がヒトCES2と構造が大きく異なっているか、あるいはタンパク質としての発現がヒトと違う可能性が示唆された。NATについては反応の過程においてアセチル基の付く部位が異なるが、それぞれの立体構造を得ることができた。これらのうちCES2は立体構造が解明されておらず、それ以外のタンパク質においても変異体の構造が得られていない(CYP、DHP)あるいは反応サイクル中にあるタンパク質立体構造が得られていない(NAT)ものばかりであるが、いずれにおいても安定な立体構造を得ることができた。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 3件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 5件) 備考 (1件)
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