研究課題
令和2年度は、補助事業期間延長により、終末糖化産物(AGEs)分析法を用いた食品試料分析とAGEs生成機構ついて継続検討した。1. AGEsとしてCarboxymethyl lysine(CML)、Pyrraline(Pyr)、Pentosidin(Pent)を分析対象とし、分析条件を一部改良して、LC-CNカラムでHPLC分離後、ESI-ポジティブモードでMRM検出、定量した。30種類の食品試料の中で、発酵及び熱加工食品に比較的高濃度のAGEsが検出された。特に、CMLは醤油、オイスターソース、ポン酢、味噌、鰹節やアーモンドなどに高濃度検出され、Pyrは醤油、味噌、アーモンドなどの他、ビールや発泡酒にも比較的多く含まれていた。一方、Pentはいずれの食品からも全く検出できないか検出限界以下であった。2. アミノ酸や蛋白質の還元糖によるメイラード反応で生成するAGEs をLC-MS/MS分析することにより、AGEs生成機構及び各種食品成分の抗糖化作用を解析した。グルコース(Glu)とLysとの反応でCML、Pyr、Carboxyethyl lysine (CEL)及びFructosyl-Lys (F-Lys)が、Argとの反応でArg-pyrimidine(Arg-P)、G-H1、MG-H1が生成した。AGEs生成はGluとアミノ酸の濃度に依存し、低温では生成しにくく、高温で生成しやすいが長時間高温で反応すると分解が認められ、酸性側では全く生成しなかった。一方、LysとGluとの反応によるAGEs生成は、ビタミンC添加では低濃度でCML生成を抑制し高濃度では促進するが、Pyr生成は大幅に抑制された。その他、クルクミンやカテキンなどにも生成抑制効果が認められた。また、ArgとGluとの反応によるAGEs生成は、クルクミン、カテキン、ケルセチンの添加で抑制された。
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