研究課題
基盤研究(C)
潰瘍性大腸炎の発症や再発における硫酸塩や硫化物の多量摂取の関与が示唆されている。本研究では、実験的大腸炎マウスを用い、炎症発生前より大腸で硫酸塩や亜硫酸塩が増加し、亜硫酸ラジカルが産生すること、その消去に大腸組織中のアスコルビン酸やグルタチオンが関与する可能性があることを明らかにした。また、亜硫酸由来ラジカルの産生における大腸組織のスルファターゼや3’-ホスホアデノシン-5’-ホスホ硫酸合成酵素の関与が示唆された。
物理系薬学
本研究は、潰瘍性大腸炎発症の第一段階と想定される大腸組織への直接刺激反応に亜硫酸由来ラジカルが関与することを世界で初めて示した独創的な研究成果である。今後さらに解析を進めることで、亜硫酸由来ラジカル消去に基づく新たな潰瘍性大腸炎の治療法や治療薬の開発のみならず、潰瘍性大腸炎の予防にも繋がることが期待できる。