研究課題
一次線毛は、細胞表面にアンテナ状に突起して細胞外環境を感知するセンサーとして働く細胞小器官である。一次線毛の形成不全は線毛病と呼ばれる種々の疾患、発生異常を生じることが分かっており、その形成メカニズムの解明が喫緊の課題となっている。また、一次線毛は細胞の増殖停止に伴い形成されることが分かっているが、その機構は不明である。研究代表者は、脱ユビキチン化酵素の網羅的スクリーニングにより、一次線毛の形成を抑制する脱ユビキチン化酵素群を同定することに成功した。さらに、脱ユビキチン化酵素のUSP8は、増殖因子受容体(EGFR、FGFR、PDGFRなど)により直接リン酸化され活性化すること、活性化したUSP8は一次線毛の形成抑制因子であるトリコプレインをタンパク質安定化することで、一次線毛の形成を抑制していることを明らかにした。以上の研究成果により、増殖細胞において一次線毛の形成が抑えられるメカニズムの一端として、増殖因子受容体-USP8-トリコプレインによる抑制機構を明らかにした。
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Advanced Science
巻: 4 ページ: 1801138
10.1002/advs.201801138.
Proceedings of the Japan Academy, Ser. B, Physical and Biological Sciences
巻: 95 ページ: 479-493
10.2183/pjab.95.034