研究課題
基盤研究(C)
近年, 一次繊毛(primary cilia)と呼ばれる細胞内小器官の形成不全および機能異常が, 種々の発達異常や疾患(繊毛病)の原因となることが明らかになり、形成メカニズムの解明が喫緊の課題となっている。研究代表者は、増殖因子受容体によって活性化された脱ユビキチン化酵素USP8によるトリコプレインのタンパク質安定化が、増殖細胞において一次線毛の形成抑制に働いていることを明らかにした。
細胞生物学
本研究により、一次線毛の形成メカニズムの一端が明らかになり、且つ、一次線毛の形成動態を介して細胞増殖の制御が可能であることを示した。本研究成果により、一次線毛の異常に起因する種々の疾患の病態メカニズム解明や、一次線毛の形成動態を制御する分子群を標的とする新たな癌治療戦略の開発に繋がることが期待できる。