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2017 年度 実施状況報告書

抑制性介在ニューロン変性の前頭側頭葉変性症発症における重要性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K08280
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

築地 仁美  名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 講師 (40455358)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード前頭側頭葉変性症 / 加齢 / 抑制性介在ニューロン / 神経変性 / 神経変性疾患 / 凝集 / TDP-43 / パルブアルブミン
研究実績の概要

前頭側頭葉変性症(frontotemporal lobar degeneration; FTLD)は、反社会的行動を伴う神経変性疾患であり、認知症のなかでは、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症に次いで罹患者が多い。近年、FTLD患者脳における変性神経細胞では、核内や細胞質内に過度にリン酸化・ユビキチン化の修飾を受けたRNA結合蛋白質TDP-43を含む凝集体が蓄積することが判明し、FTLD-TDPと分類されているが、TDP-43の蓄積機構や神経変性機序はその多くが不明である。これまでに家族性FTLDの原因となる変異型TDP-43を発現させたモデル動物は作製解析されているが、家族性FTLD患者はむしろまれであり、9割を占める孤発性のFTLDでは、変異型TDP-43が蓄積するわけではなく野生型TDP-43が蓄積する。また認知症は加齢に伴う変性疾患であることを考慮し、我々は孤発性FTLD-TDPのモデル動物として、野生型ヒトTDP-43を過剰発現させたマウスを作製し、加齢に伴う変化を探索した。
我々の作製したTDP-43を主に神経系に過剰発現させたトンラスジェニックマウスは、恐怖条件付け学習試験での異常と軽度の四肢機能異常を呈したため、孤発性FTLD-TDPのモデルマウスとして適切であると判断した。記憶障害をもたらす機構の解明のため、海馬領域での異常を免疫組織学的に解析したところ、当FTLD-TDP疾患マウスでは、p62陽性ポリユビキチン陽性パルブアルブミン陽性の微小構造体が多数観察された。この微小顆粒はパルブアルブミン陽性であることから、抑制性介在ニューロンの死骸であることが示唆された。以上よりTDP-43の異常発現により抑制性介在ニューロンの変性死が起こること、FTLD-TDP発症機構に抑制性介在ニューロンの変性死が関与する可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定通りに進んでいる。

今後の研究の推進方策

抑制性介在ニューロンの変性死の機構の解明

次年度使用額が生じた理由

消耗品の購入が予定より少なかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] TDP-43 accelerates age-dependent degeneration of interneurons2017

    • 著者名/発表者名
      Tsuiji Hitomi、Inoue Ikuyo、Takeuchi Mari、Furuya Asako、Yamakage Yuko、Watanabe Seiji、Koike Masato、Hattori Mitsuharu、Yamanaka Koji
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 7 ページ: 14972

    • DOI

      10.1038/s41598-017-14966-w

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] TDP-43 accelerates age-dependent degeneration of interneurons2017

    • 著者名/発表者名
      Hitomi Tsuiji, Ikuyo Inoue, Asako Furuya, Mari Takeuchi, Yuko Yamakage, Mitsuharu Hattori, Koji Yamanaka
    • 学会等名
      第40回 日本神経科学大会

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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