チロシンキナーゼJAK2の点変異体 (V617F) が慢性骨髄増殖性腫瘍 (MPN) の原因遺伝子として同定されたが、JAK2の点変異がMPNを発症するメカニズムには不明な点が多い。本研究では、JAK2変異体が誘導する形質転換には、エリスロポエチン受容体 (EpoR)の共発現が必須であることを見出した。また、EpoRのY343、Y460, Y464の3個のチロシン残基のリン酸化が、転写因子STAT5のリン酸化を介して、顕著な発がんシグナルを誘導することを明らかにした。一方、EpoRのY401のリン酸化は、抑制因子CISが結合し、JAK2変異体による発がんシグナルを負に制御することを見出した。
|