生体で産生される活性硫黄分子種(RSS)は細胞保護作用をはじめとする多彩な生理作用を持つ。RSSを産生する酵素はシステインの生合成や代謝酵素であるCBS、CTH、MPSTなどが知られているが、遺伝子欠損マウスを用いた研究から、これらの酵素は免疫疾患において増悪・軽減両面に作用することが明らかになっている。本件ではCthとMpstの遺伝子欠損マウスに対し各種の免疫疾患モデルを試験し、適応免疫応答におけるRSS産生酵素の役割を探った。その結果、Mpst欠損マウスにおいて受動的全身性アナフィラキシーにおいて体温低下の増悪化が認められ、Mpstが体温に関連する調整機能に関与することが判明した。
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