本研究の目的は、体内時計システムによる骨格筋機能の調節機構を明らかにし、その知見を基にメタボリックシンドロームの時間薬物治療の分子基盤を提示することである。その目的を達成するため、体内時計調節において中心的な転写因子であるBMAL1を骨格筋特異的に欠損したマウス(M-BMAL1 KOマウス)を作製し、そのエネルギー代謝に関する特徴を生化学的及び病理学的観点から解析した。その結果、骨格筋においてBMAL1は、カルシウム量並びに酸素受容量の制御を行うこと、そしてこれらを介して脂肪酸燃焼並びにそれに続くエネルギー代謝を調節していることが示された。
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