研究課題
基盤研究(C)
ミトコンドリア外膜で陰イオンや様々な物質輸送を担う膜タンパク質であるVDACは、エネルギー生産、脂質代謝、細胞死制御などミトコンドリア機能に深く関わり、がん等の疾患との関連も報告されている。本研究では、正しく折りたたまれたVDACの立体構造を解析し、ホモ7量体を形成していることを見出した。この結果は、生体内での活性発現にオリゴマー化が関与するという報告とも合致する。また、VDACと相互作用し細胞機能を制御する化合物の結合構造の解析も試みた。
膜タンパク質生化学
正しく折りたたまれたVDACの構造は、生体内での構造を反映していると考えられた。この構造に基づき、VDACに作用する化合物を設計したり、既存の相互作用化合物の最適化を行ったりすることで、VDACの関与が指摘されている疾患である、がんや神経変性疾患に対する治療薬の開発に繋がると考えられる。