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2018 年度 実施状況報告書

中枢性摂食・エネルギー代謝調節における新規分泌タンパク質Brorinの機能解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K08307
研究機関京都大学

研究代表者

三宅 歩  京都大学, 薬学研究科, 講師 (40346044)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードBmp / アンタゴニスト / 視床下部 / 摂食制御 / 神経分化 / 脂肪組織
研究実績の概要

脳発生過程において分泌性タンパク質であるBmpは、視床下部神経の分化および弓状核ニューロンの軸索投射などに関与している。Brorinは、胎児期および成体マウスにおいて脳神経系特異的に発現しており、申請者はこれまでにBrorin遺伝子欠損マウスの解析から、Brorinが神経幹細胞のアストロサイトへの分化抑制と神経細胞とオリゴデンドロサイトの分化促進に関与していること及びBrorin遺伝子欠損マウスではBmpシグナル伝達経路に異常があることを明らかにしている。またbrorin機能阻害ゼブラフィッシュを用いた解析からは、brorinがBmpシグナルを阻害することにより視床下部の特性の維持及び軸索投射に関与していることも明らかにしている。そこで本研究では、Brorin遺伝子欠損マウスを用い、摂食制御機構におけるbrorinの機能について解析を行っている。
Brorin遺伝子欠損マウスでは、野生型マウスと比較して体長に差が認められないにもかかわらず体重が有意に増加していること及び15週齢における摂食量が有意に増加していることから、今年度は、野生型マウス及びBrorin遺伝子欠損マウスの視床下部における摂食制御関連遺伝子の発現量について変化の有無を検討した。Brorin遺伝子欠損マウスでは、野生型マウスと比較して摂食促進関連遺伝子の一部について発現量の亢進が認められた。従って、brorinは視床下部において摂食促進関連遺伝子の発現を調節することにより摂食制御に関与している可能性が示唆された。またBrorin遺伝子欠損マウスでは、野生型マウスと比較して血中インスリン濃度が増加していたことより、現在はインスリン感受性及び耐糖能について検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請書に記載した研究実施計画に沿って研究を進めることができているため。

今後の研究の推進方策

引き続き当初の研究計画に基づいて、野生型マウスおよびBrorin遺伝子欠損マウスについてインスリン感受性及び耐糖能についての検討を行い、インスリン抵抗性について評価する。さらに、Brorin値測定のためのELISAを確立し、肥満モデルマウスを用いて、インスリン感受性とBrorin濃度との関係を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

年度末に機器が故障したため新たに購入する必要が生じたが、当該年度の残金では不足しており購入できなかった。しかし、来年度は実験用試薬などの消耗品の購入が増えることが予想され、来年度の予算内で購入することができるかどうか不明なため、繰り越して4月に購入する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 前脳形成過程におけるゼブラフィッシュ Fgf22の役割2019

    • 著者名/発表者名
      中西和也、村川由佳、加藤千智、三宅歩
    • 学会等名
      日本薬学会第139年会
  • [学会発表] 前脳形成における新規分泌因子ゼブラフィッシュbrorin-likeの役割2019

    • 著者名/発表者名
      大沼健斗、藤林英徳、三宅歩
    • 学会等名
      日本薬学会第139年会
  • [学会発表] 前脳の神経上皮細胞の分化におけるゼブラフィッシュ Fgf22の作用機序2018

    • 著者名/発表者名
      村川由佳、中西和也、加藤千智、三宅歩
    • 学会等名
      第41回日本分子生物学会年会

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公開日: 2019-12-27  

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