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2019 年度 実施状況報告書

中枢性摂食・エネルギー代謝調節における新規分泌タンパク質Brorinの機能解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K08307
研究機関京都大学

研究代表者

三宅 歩  京都大学, 薬学研究科, 講師 (40346044)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワードBmp / アンタゴニスト / 視床下部 / 摂食制御 / 絶食
研究実績の概要

脳発生過程において分泌性タンパク質であるBmpは、視床下部神経の分化および弓状核ニューロンの軸索投射などに関与している。Brorinは、胎児期および成体マウスにおいて脳神経系特異的に発現しており、申請者はこれまでにBrorin遺伝子欠損マウスの解析から、Brorinが神経幹細胞のアストロサイトへの分化抑制と神経細胞とオリゴデンドロサイトの分化促進に関与していること及びBrorin遺伝子欠損マウスではBmpシグナル伝達経路に異常があることを明らかにしている。またbrorin機能阻害ゼブラフィッシュを用いた解析からは、brorinがBmpシグナルを阻害することにより視床下部の特性の維持及び軸索投射に関与していることも明らかにしている。そこで本研究では、Brorin遺伝子欠損マウスを用い、摂食制御機構におけるbrorinの機能について解析を行っている。
昨年度までに、Brorin遺伝子欠損マウスでは野生型マウスと比較して体重が有意に増加しており、15週齢における摂食量が有意に増加していること及び摂食促進遺伝子であるAgRPの発現量が亢進していることを明らかにしている。今年度は、絶食させたマウスの視床下部における摂食行動制御神経ペプチド群の発現量およびBrorinの発現量について変化の有無を検討した。絶食マウスの視床下部では、自由摂食マウスと比較して摂食促進遺伝子の発現量が亢進し、摂食抑制遺伝子の発現量は減少しており、これまでの報告と一致していた。そこで、絶食マウスの視床下部におけるBrorinの発現量を検討したところ、自由摂食マウスと比較してBrorinの発現量は減少していた。従って、マウスは飢餓時にbrorinの発現を抑制していることが示され、brorinは摂食制御の恒常性維持に関与している可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請書に記載した研究実施計画が、順調に達成されているため。

今後の研究の推進方策

現在論文を作成中であり、作成後、速やかに投稿する予定である。

次年度使用額が生じた理由

(理由)
本研究により得られた成果を論文として投稿するために現在論文を作成中であり、投稿予定の雑誌に掲載されるためには掲載料が必要となるため。
(使用計画)
投稿予定の雑誌に掲載が確定した後、掲載料を支払う。また審査の過程で、雑誌に掲載されるために追加実験が必要となった場合は、実験を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 前脳形成過程における分泌因子ゼブラフィッシュbrorin-likeの役割2019

    • 著者名/発表者名
      藤林英徳、大沼建斗、宮西峻平、三宅歩
    • 学会等名
      第42回日本分子生物学会年会

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公開日: 2021-01-27  

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