研究課題
アストロサイト集合体の規模(密度)によって、1)ニューロンがシナプスを投射する場所(位置)は影響を受けるのか、2)個々のシナプスにおける開口放出メカニズムの変化はどうなっているのか、3)その生理的意義は何か、など不明な点が多い。昨年度は、2)に着目し、実験を遂行した。本年度も昨年度に引き続き、2)に重点を絞り電気生理学的に検討した。また、共同研究先のアイオワ大学准教授のCharles Harataから光学的なアドバイスなどを得て、データを解析した。実験は、生後0日齢ICRマウスから大脳皮質を摘出し、ニューロンの足場となるグリア細胞:アストロサイトを培養した。アストロサイトの培養法は、従来の手順に準拠した。次に、培養アストロサイトを低密度ならびに高密度で区分培養し、生後0日齢ICRマウスの海馬ニューロンと共培養した。単一ニューロンは、自己にシナプスを形成しながら与えられた領域内で成長するので、シナプス形成が安定する2週間をニューロンの培養期間とした。結果、アストロサイトが高密度になることにより、シナプス開口放出確率は変わらないことが明らかとなった。一方で、即時開口放出可能シナプス数は増加したことから、伝達物質を放出できないプレサイレントシナプスの光学的定量を試みた。結果、ニューロンを取り巻くアストロサイトの密度が上昇すると、全体のシナプス数に対するプレサイレントシナプスの比率が低下する事が明らかとなった。このためにシナプス伝達が増加すると結論付けた。今回の結果は論文化し、現在リバイス中である。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
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