研究課題/領域番号 |
17K08328
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理系薬学
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
桂林 秀太郎 福岡大学, 薬学部, 准教授 (50435145)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | シナプス伝達 / グリア細胞 / アストロサイト / サイレントシナプス |
研究成果の概要 |
脳における主要なグリア細胞であるアストロサイトは、シナプスの形成と成熟に関与しており、ニューロン間の持続可能なシナプス伝達に貢献しています。本研究により、アストロサイトの密度が高いほど、神経細胞(ニューロン)における興奮性シナプス伝達は高くなることが分かりました。また、形態学的に同定されたグルタミン酸作動性シナプスの全体的な数は変化しませんでしたが、伝達物質を放出できる機能的シナプス(アクティブシナプス)の割合は増加しました。つまり、ニューロンを取り巻くアストロサイトの高密度化は、シナプス前の非サイレンシングを介して興奮性シナプス伝達を強化することが明らかとなりました。
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自由記述の分野 |
神経生理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳高次機能を有する高等動物ほど、脳内のグリア細胞の数が多いといわれています。その多数を占めるアストロサイトが欠如すると、神経回路の架け橋である『シナプス』の数は激減し、伝達物質放出機能も低下します。研究代表者はこれまでに、アストロサイトの液性因子は重要であるが、アストロサイトの占有面積とシナプス機能には相関関係はないことを報告しました。 この成果を更に発展させるため、本研究ではアストロサイトの“密度”に着目し、アストロサイトとニューロンの混成比の違いによるシナプス機能(情報伝達)とシナプス形態(形成秩序)を解析し、アストロサイト密度と高次機能の相関関係を明らかにしました。
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