研究課題
1) ミャンマー産薬用植物の抽出エキスについて、抗インフルエンザ活性スクリーニングを行った。その結果、トウダイグサ科植物Jatropha multifidaやリンドウ科植物Gentiana Kurrooなど5種類の薬用植物エキスに強力な抗インフルエンザ活性が認められた。2) トウダイグサ科植物J. multifida粗抽出エキスを分配操作により得られた水エキスにはウイルスが宿主へ感染する過程を阻害し、また、クロロホルムエキスには宿主に感染したウイルスが増殖する過程を阻害していることが判明した。作用点の異なる抗インフルエンザ活性物質がこの植物に含まれていることが示唆され、活性本体の単離を急いでいる。
2: おおむね順調に進展している
平成29年度の計画通り、研究が進んでおり、その成果は既に数報の論文に掲載されている。
東南アジア産薬用植物の抽出エキスについては、各種抗ウイルス及び抗細菌活性試験の結果が既に出ている。そのなかから有望な薬用植物エキスについて、これら活性の結果を指標に、各種クロマトグラフィーにより分画・精製を行い、活性本体を見出していきたい。得られた活性物質は、NMRやMSなど各種スペクトルデータの解析を進め、化学構造を決定していく。
平成30年4月1日付けで、富山大学和漢医薬学総合研究所から大阪大谷大学薬学部に異動したため、物品の購入を途中で停止した。今度、繰り越した額も含めて計画通りに助成金を使用する。
すべて 2017 その他
すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 7件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (1件) 備考 (1件)
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