研究課題/領域番号 |
17K08344
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
森 美穂子 北里大学, 感染制御科学府, 助教 (20425648)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 赤痢アメーバ / Entamoeba histolytica / NAD kinase / 微生物培養液 |
研究実績の概要 |
インドネシアから輸入した微生物(放線菌または糸状菌)を複数の培地、培養方法で培養し、約300種の培養液サンプルを調製した。これを用いて、赤痢アメーバのNAD kinaseを阻害するサンプルのスクリーニングを行った。スクリーニングは前年度と同じNADPH-dependent oxidoreductaseを組み合わせたカップリングアッセイ方法を用いて行った。この探索源からはヒットサンプルは得られなかった。 並行して上述のインドネシア産微生物の培養液サンプルを用いて殺赤痢アメーバ原虫活性を調べた。5サンプル程度が殺赤痢アメーバ活性を示した。標的はNAD kinaseではないものの、殺赤痢アメーバ活性を示した微生物培養液を大量に得て、活性化合物を精製した。その過程において、新規構造と推定される低分子化合物を得た。 さらに、日本産またはインドネシア産の微生物資源(放線菌・糸状菌)を培養して得た約5,000サンプルの微生物培養液を用いてスクリーニングを行い、ヒト正常細胞に対して毒性を示さず、赤痢アメーバに対して殺虫活性を選択的に示すサンプルを約120サンプル見出した。その中から、過去の研究で見出した抗赤痢アメーバ活性化合物を含む微生物培養液を機器分析と菌株の簡易同定結果を用いてふるい落とし、新たな殺赤痢アメーバ活性化合物を含有していることが期待される微生物培養液を選択した。最終的に選択した糸状菌株を大量に培養し、調製した培養液サンプルから活性化合物を精製している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
酵素の精製を行うことができず、アッセイ系の検討を行うところまで至らなかった。前年度と同じアッセイ系を用いるスクリーニングしか行うことができなかった。また、ヒットサンプルを見出すことができず、化合物の精製に至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
早期にアッセイ系の検討を行うとともに、既存のアッセイ方法でスクリーニングも進める。ヒットサンプルを見出すことを優先する。 同一の微生物培養液を用いて、赤痢アメーバNAD kinaseの阻害活性とともに抗赤痢アメーバ活性も調べ、両方に対して阻害活性を示すサンプルを優先し、効率的に抗赤痢アメーバ症治療薬シーズを見出す。
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