赤痢アメーバ症は世界に蔓延する寄生虫症であり、日本国内でも近年患者が増加している指定感染症の一つである。新たな赤痢アメーバ症治療薬の開発を目指し、赤痢アメーバ特異的なNAD kinaseを標的とする酵素阻害化合物の探索を行った。日本産またはインドネシア産の放線菌および糸状菌の培養液約1,300サンプルを評価したが、目的の活性を示すサンプルは得られなかった。並行して同じサンプルの赤痢アメーバ原虫に対する殺虫活性を評価したところ、放線菌培養液からチャートルシンを、糸状菌培養液からテヌアゾン酸を活性化合物として新たに見出した。
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