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2019 年度 実績報告書

レチノイドX受容体ヘテロダイマーの活性化によるアルツハイマー病の予防と治療

研究課題

研究課題/領域番号 17K08352
研究機関愛知学院大学

研究代表者

井上 誠  愛知学院大学, 薬学部, 教授 (50191888)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードレチノイドX受容体 / アルツハイマー病 / 天然由来RXRアゴニスト / 抗炎症作用 / アルツハイマー病マウスモデル
研究実績の概要

我々がこれまでに見出したretinoid X receptor (RXR)アゴニストであるホオノキオールをシード化合物として各種の化合物を合成し、PPARδ/RXRヘテロダイマーを選択的に活性化するRXRアゴニスト化合物1を見出した。そこで本化合物1がアルツハイマー病(AD)モデルマウスであるC57BL/6-App<tm(NL)Tcs(APP NL-G-Fマウス)に及ぼす効果を検討した。APP NL-G-FマウスはADのプレクリニカル期の病態を呈するモデルと考えられており化合物1の効果を検討したところ、化合物1を1週間強制胃内投与することにより、海馬で発現が上昇していた炎症性サイトカイン(IL-1β、IL-6、TNFα)、活性化ミクログリアやアストロサイトのマーカー(IBA1, GFAP)のうち、IL-1β、IL-6、IBA1のmRNA発現を選択的に減少させ、脳内炎症を抑制できる可能性が示唆された。また化合物1はミクログリア様MG5細胞をリポ多糖(LPS)で刺激した際に産生されるIL-1β、IL-6、TNFαなどの炎症性サイトカインの発現を1μMの低濃度で著しく抑制した。次に、サンズコンから単離したRXRアゴニストであるプレニルフラバノン(SPF及びSPC)の新規生物活性を検討したところ、SPFとSPCはミクログリア様MG5細胞に対して、メタロチオネインIIを著しく誘導する活性を示した。その活性は合成RXRアゴニストであるベキサロテン(Bex)より強く、最大誘導活性はSPF>SPC>Bexであった。3年間の研究を通して得られた結果より、各種の天然由来RXRアゴニストが脳内の慢性炎症を抑制する活性を示す可能性が示唆され、RXRアゴニストがADのプレクリニカル期を標的にした新たな予防、治療法の確立に大きく貢献するものと考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Discovery and SAR of Natural-Product-Inspired RXR Agonists with Heterodimer Selectivity to PPARδ‐RXR2020

    • 著者名/発表者名
      Ken-ichi Nakashima, Eiji Yamaguchi, Chihaya Noritake, Yukari Mitsugi, Mayuki Goto, Takao Hirai, Naohito Abe, Eiji Sakai, Masayoshi Oyama, Akichika Itoh, and Makoto Inoue
    • 雑誌名

      ACS Chemical Biology

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1021/acschembio.0c00146

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 核内受容体レチノオイドX受容体アゴニストの現在と将来2019

    • 著者名/発表者名
      井上 誠、中島健一、平居貴生
    • 雑誌名

      愛知学院大学薬学会誌

      巻: 12 ページ: 1-14

    • 査読あり
  • [備考] 愛知学院大学薬学部薬用資源学講座

    • URL

      http://www.phar.agu.ac.jp/lab/med_res/top.html

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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